「アウトソーシングは危険と聞くから躊躇している」
「アウトソーシングのリスクを回避して依頼したい」
自社の業務を外部の企業に委託するアウトソーシングは、さまざまなメリットが期待できます。
しかし、アウトソーシングは依頼元企業に負担がかかることがあるため、危険ともいわれています。
アウトソーシングが危険といわれる理由を把握しておけば、適切な対策を講じられるでしょう。
この記事ではアウトソーシングの危険性や対策、メリットなどを解説します。
アウトソーシングが危険といわれる5つの理由

アウトソーシングが危険といわれているのには次のような5つの理由が関係しています。
- 情報漏えいのリスクが生じる
- コストが高くなる可能性がある
- コミュニケーション不足によるトラブルが発生する恐れがある
- 業務管理が難しい
- 社内のノウハウが蓄積しにくい
それぞれの理由を確認しておけば、いざアウトソーシングを実施する際に不安に感じる可能性は低くなるでしょう。
①情報漏えいのリスクが生じる
アウトソーシングが危険といわれる代表的な理由、情報漏えいのリスクが生じるためです。
委託先に業務を委託する場合、自社のマニュアルだけでなく、顧客情報ほかの機密情報を提供します。
委託する業務によっては、ツールを利用するためのログイン情報を共有することもあるでしょう。
また、新規プロジェクト、新商品開発業務などを委託した場合、新サービスや新商品の情報も共有が必要です。
アウトソーシングの場合、このように自社が提供した情報が委託先から漏えいする恐れがあります。
②コストが高くなる可能性がある
アウトソーシングは一見するとコスト削減に有効に思えるでしょう。
しかし、実際には契約内容や業務範囲次第で予想以上の費用がかさむ場合もあります。
コスト削減を目的にアウトソーシングを実施したにも関わらず、内製よりも費用がかさんでしまったというケースも考えられます。
また、追加作業や変更対応が増えたときには、想定外の支出が生じる恐れがあるため注意が必要です。
③コミュニケーション不足によるトラブルが発生する恐れがある
アウトソーシングによって業務を効率的に進めようとする企業もあるでしょう。
しかし、委託先とコミュニケーションが不足すると、トラブルが発生しかねません。
例えば、自社が求める納品スケジュールを伝えそびれたことで、納期遅延が発生し自社に損害が生まれる恐れがあります。
④業務管理が難しい
コミュニケーションが不足している、委託先の業務管理も困難になります。
委託先がどのような体制で作業を進めているか見えづらく、問題が起きてから発覚するケースもあります。
また、業務管理を怠ったことで、クオリティに不備が発生する恐れもあるでしょう。
業務を管理するためには、管理ツールや報告体制の整備が欠かせません。
⑤社内のノウハウが蓄積しにくい
アウトソーシングは自社の業務負担を軽減できる一方、社内のノウハウを蓄積しづらいというデメリットがあります。
ノウハウが蓄積できなかったことで、トラブル発生時に自社で対応できない、従業員のスキル向上につながらないといったデメリットにつながりかねません。
そのため、長期的に成長を目指す企業は、自社でノウハウを蓄積できる仕組みを整えましょう。
そもそもアウトソーシングとは

そもそもアウトソーシングとは、自社の業務を外部の専門企業や個人に委託することです。
経理や総務など、バックオフィス全般に幅広く活用される一方で、その意味合いや手法は多岐にわたります。
ここではアウトソーシングの仕組みや主な種類、業務内容などを解説します。
アウトソーシングの仕組み
アウトソーシングは通常、業務範囲や納期、成果物の品質、費用などを明記した契約書を交わし、委託先が専門的なノウハウを活かして業務を代行します。
自社は進捗管理や最終チェックに注力できるため、時間や人材をコア業務へ振り向けられます。
ただし、委託先の選定や契約内容の精査を怠ると、かえってコスト増や品質低下につながる恐れがあります。
主な種類や業務内容
アウトソーシングの対象となる業務は、経理・総務・人事といったバックオフィス領域だけでなく、コールセンターや営業アシスタント業務など、多岐にわたります。
またIT分野では、システム開発や保守運用を外部に任せるケースもあるでしょう。
企業規模や業種、目的によって適切な業務範囲は異なるため、導入前にどの業務を委託するかを明確にすることが重要です。
外注とアウトソーシングの違い
アウトソーシングに似た言葉として、外注が挙げられるでしょう。
どちらも自社ではなく外部に業務を委託することを指すものの、両者の意味は異なります。
外注は内製よりも費用を抑えることが目的で、外注先企業は依頼元の指示に従い業務を進めます。
一方、アウトソーシングは業務の企画や設計、運用までも担う業務委託になるため、高い専門性が求められます。
アウトソーシングのメリット

アウトソーシングは危険といわれるものの、メリットがないわけではありません。アウトソーシングを実践することで、次のようなメリットが期待できるでしょう。
- コア業務に集中できる
- 属人化を防止できる
- 専門知識をノウハウを活用できる
- 人手不足の解消につながる
アウトソーシングを検討しているのであれば、危険性だけでなくメリットも把握しておきましょう。
コア業務に集中できる
企業が本来注力すべきコア業務を優先できるようになるのは、アウトソーシング最大の強みです。
アウトソーシングによってい一部の業務を委託すれば、経営者や管理職が経営戦略や新規事業の立ち上げに時間を割けるだけでなく、社員一人ひとりも付加価値の高い業務に専念しやすくなります。
また、バックオフィス業務を専門家に任せるとで、作業品質が安定しやすい利点もあります。
これらの相乗効果により、生産性の向上や組織全体のモチベーションアップが期待できます。
属人化を防止できる
特定の社員だけが詳しい業務が多いと、該当の社員が不在になった場合、業務が滞るリスクが高まります。
アウトソーシングを活用して外部のチームで作業を分担すれば、ノウハウが一極集中せず、安定した運用が可能です。
さらに、アウトソーシングであれば専門家集団が複数名で対応するため、異なる視点やノウハウが取り入れやすくなるという副次的なメリットも期待できるでしょう。
専門知識をノウハウを活用できる
アウトソーシングに取り組むことで、委託先企業が持っている専門的知識や最新のノウハウなどを自社に取り入れられます。
自社で専門的な知識を持つ従業員を手配しようとすると、採用コストが発生するうえに、すぐに採用できるわけではありません。
そのため、専門的な知識に基づくサポートをスピーディに得られというのも、アウトソーシングのメリットでしょう。
人手不足の解消につながる
人手不足の解消にもアウトソーシングは有効です。人手不足が深刻化すると業務を進めることもままならなくなってきます。
アウトソーシングであれば、必要な時期に必要な人材を確保しやすくなるため、人手不足に悩むことなく、安定して事業を展開えきます。また、アウトソーシングを活用すれば、求人や教育コストも削減可能です。
リスクを減らすための3つの対策

アウトソーシングが危険とされているリスクは、事前に対策を講じることで軽減できます。アウトソーシングによるリスクを軽減するためには、次のような対策を講じましょう。
- 実績が豊富な会社に委託する
- 委託する業務を絞る
- 双方の責任範囲をしっかり決める
1.実績が豊富な会社に委託する
委託先の実績や評判、過去事例をしっかりとチェックすることで、トラブルのリスクを大幅に削減できます。
同じ業界での実務経験が豊富な企業ほど、業務フローの把握やセキュリティ対策が行き届いている場合が多いです。
委託先選定の際は料金に目が行きがちです。
しかし、料金だけで選ぶのではなく、実績や導入支援体制、問い合わせ対応のスピードなども総合的に判断し、信頼できるパートナーを選びましょう。
2.委託する業務を絞る
収益性の高い領域やコア業務を丸ごとアウトソーシングしてしまうと、社内ノウハウや利益構造が外部に依存してしまう恐れがあります。
そのため、その後の売上に影響を及ぼす恐れがあるでしょう。
まずは定型的かつノンコアな部分を委託し、様子を見ながら徐々に範囲を広げるのが得策です。
また、契約時にはどこからどこまでが委託範囲なのかを明確にし、業務内容の肥大化によるコスト増を防ぎましょう。
3.双方の責任範囲をしっかり決める
契約書や業務仕様書で、どの段階で自社が承認や検収を行うのか、ミスや遅延が発生した場合に誰がどの程度責任を負うのかを明確に定義することが不可欠です。
曖昧なまま進めると、問題発生時に対応が遅れたり、費用負担をめぐるトラブルにつながりかねません。
プロジェクト管理ツールや定期的なミーティングを組み合わせ、コミュニケーションロスを最小化しましょう。
アウトソーシングを検討する際のチェックポイント

リスクと対策を把握したうえで、アウトソーシングを利用するのであれば、次のようなポイントをチェックしてみましょう。
- 委託する業務はノンコア業務か
- 委託する業務は定型化しやすい業務か
- 委託までにどのくらいの準備期間が必要か
①委託する業務はノンコア業務か
委託する業務はノンコア業務かどうかをチェックしましょう。
アウトソーシングはコア業務を可能な限り自社で対応して、ノンコア業務を外部に任せるのが基本です。
コア業務までアウトソースすると、社内に蓄積されるはずだったノウハウが失われ、競争力低下につながりかねません。
まずはコア業務とノンコア業務を明確に切り分け、後者の中から優先度が高いものを選定して委託するようにしましょう。
②委託する業務は定型化しやすい業務か
手順やマニュアルが明確で、同じ作業が繰り返される定型的な業務ほどアウトソーシングとの相性が良好です。
一方で、都度判断が必要なクリエイティブな作業やケースによって対応が変わる業務は、外部に委託するとコミュニケーションコストが高まりやすい傾向があります。
まずは自社の業務を棚卸しし、定型化の度合いを確認しましょう。
③委託までにどのくらいの準備期間が必要か
マニュアル作成やツール導入、引き継ぎの打ち合わせなど、アウトソーシングするまでにかかる準備期間を見込むことが大切です。
自社の担当者のサポート体制も必要になるため、十分な時間を確保しないまま急いで導入すると、初期段階でミスが多発するリスクが高まります。
事前にスケジュールを策定し、関係者全員が詳細を把握できるようにしておきましょう。
アウトソーシングを安心して活用するためには

アウトソーシングを安心して活用するために、まずは「なぜアウトソーシングを導入するのか」という明確な目的を設定しましょう。
そのうえで、リスクを理解し適切な業務を選ぶことが大切です。
さらに、自社の業種や規模、将来の展望に合った委託先を見極め、契約内容や責任範囲をしっかり取り決めます。
このような準備を怠らなければ、業務効率化やコスト削減といったメリットを最大化につながります。
アウトソーシングは『CLOUD BUDDY』へご相談ください
アウトソーシングによってコア業務への注力、人手不足の解消を実現するのであれば、『CLOUD BUDDY』へご相談ください。
『CLOUD BUDDY』は多様な業務のアウトソーシングに対応しています。
『CLOUD BUDDY』はセキュリティソフトの定期的な更新を徹底しています。
さらに、依頼企業のセキュリティポリシーの遵守にも対応しているため、安心してご依頼いただけます。
アウトソーシングが危険といわれる理由を踏まえて、委託を検討しよう
アウトソーシングは情報漏えいや業務管理の難しさ、コスト増加などかの理由から危険といわれています。
しかし、依頼先の実績や責任範囲の明確化などの対策を講じることでリスクを回避可能です。
アウトソーシングが危険といわれている理由を把握したうえで利用すれば、コア業務への注力や属人化防止などのメリットにつながるでしょう。