「自社の従業員をコア業務に注力させたい」
「高騰する人件費を抑えたい」
給与計算や人事管理など、バックオフィス業務は企業を支える大切な業務です。しかし、給与計算や人事管理は作業に多くの時間が割かれてしまうため、従業員がコア業務に注力できなくなってしまいます。
従業員がコア業務に注力できる仕組み作りとして有効なのが、BPaaS(ビーパース)の活用です。
この記事ではBPaaSの活用方法だけでなく、メリット、デメリットについても解説しています。自社の従業員をコア業務に注力させたいと考えている方はぜひ最後までご覧ください。
BPaaS(ビーパース)とは

BPaaS(ビーパース)とはBusiness Process as a Serviceの略で、BPO(Business Process Outsourcing)とSaaS(Software as a Service)をかけ合わせた造語です。BPOとSaaSはそれぞれ以下のような意味を持ちます。
- BPO:一部業務を外部委託するアウトソーシングのひとつ
- SaaS:クラウドのソフトウェアを利用するサービス
つまり、BPaaSはSaaSを活用してBPOを推進していくサービスを指します。具体的には次のようなバックオフィス業務がBPaaSによって業務委託可能です。
- 給与計算
- 人事業務
- 調達管理
BPaaS・BPO・SaaSとの違い
BPaaSとBPOはどちらも業務を外部に委託するものの、前者はSaaSを活用して委託業務を進めていきます。
一方、BPaaSとSaaSの違いは業務を外部に委託するかどうかです。例えばSaaSを活用しただけでは課題を解消できない場合、BPaaSとして外部に業務を委託しましょう。
BPaaSが注目されている背景
BPaaSが注目されている背景として考えられるのが、人手不足と人件費の増加です。現代は少子高齢化や働き方改革など、さまざまな要因で人手不足に陥り、業務を進められない企業もあります。企業によっては人手不足が原因で倒産することもあるほどです。
東京商工リサーチの発表によれば、2024年に人手不足が一因で倒産した企業数は289件にも上りました。このうち、資本金が1,000万円以下の小規模、零細企業は186件と半数以上を占めています。
特に、給与計算ほか専門的な知識や経験が求められる業務は人手が足りていないという企業もあるでしょう。そのため、BPaaSが人手不足の解決策として期待されています。
また、2023年4月より大企業だけでなく、中小企業も月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が50%に引き上げられたことも、BPaaSが注目される背景です。これまでよりも人件費がかさむため、BPaaSによる業務効率化や自動化が求められています。
参考:株式会社東京商工リサーチ | 「人件費高騰」の倒産が急増、人手不足が深刻に 2024年の「人手不足」倒産 過去最多の289件
BPaaSができること

BPaaSができることは主に次のとおりです。
- 給与計算
- 経理業務
- 人事管理
- カスタマーサービス
いずれもバックオフィス業務として重要です。
(1)給与計算
企業は従業員に給与を支払う必要があるため、給与計算業務が欠かせません。給与計算に強みを持つBPaaSを導入すれば、給与計算のすべての工程を外部に業務委託可能です。
給与計算でミスが発生すると、従業員のモチベーションに影響が及びます。そのため、作業に時間がかかってしまい、担当者のリソースが割かれてしまいます。
一方、BPaaSであれば自社で対応するよりも、高い生産性が期待できるでしょう。
(2)経理業務
経理業務もBPaaSでできることのひとつです。経理業務は請求書の作成や決算に必要な書類の作成など、正確さが求められる作業を多く含んでいます。
また、インボイス制度や電子帳簿保存法のように、法律や会計基準の変化に対応する必要もあります。
BPaaSを導入すれば、高い専門性を持つ担当者に外部委託が可能です。
(3)人事管理
人事管理のなかでも、勤怠管理や人事評価などは担当者に負担がかかるうえに、データ活用の知識が求められます。
BPaaSを活用すれば、自社の担当者は評価制度の見直しはじめとした上流工程に注力可能です。
(4)カスタマーサービス
ヘルプデスクやコールセンターなどのカスタマーサービスにもBPaaSは導入できます。カスタマーサービスは顧客とコミュニケーションを取る、自社の顔ともいえる業務です。そのため、BPaaSによって接客対応のプロフェッショナルに業務を委託して、自社のブランドイメージ向上につなげましょう。
BPaaSを導入するメリット

BPaaSを導入することで期待できるメリットは次のとおりです。
- 生産性の向上が期待できる
- 人件費を削減できる
- 蓄積データを有効活用できる
1.生産性の向上が期待できる
代表的なメリットとして挙げられるのが、生産性の向上です。SaaSを導入して、クラウドのソフトウェアを活用しようとしても、自社で使いこなせない可能性があります。しかし、BPaaSとして外部に委託すれば、自社の従業員は他の業務に注力でき、全体の生産性向上が期待できるでしょう。
2.人件費を削減できる
BPaaSは人件費を削減できるというメリットもあります。ただ業務を委託するだけでは、外部への委託費用がかさんでしまう可能性があります。しかし、BPaaSはクラウドサービスによって、業務工程の自動化や簡略化が可能です。その結果、従来の業務委託よりもコストを削減できます。
削減できるコストは人件費だけではありません。自社でサービス開発が不要なため、初期費用の削減につながります。
3.蓄積データを有効活用できる
BPaaSは蓄積データの有効活用も期待できます。企業にとって各種データは、経営判断や戦略立案に欠かせない情報です。従来の外部委託では自社にデータやノウハウが蓄積されません。
一方、BPaaSであれば委託業者が担当した業務は、クラウドサービスに蓄積されるため、自社のデータとして活用可能です。
BPaaSのデメリット

BPaaSはメリットだけではありません。次のようなデメリットも把握しておきましょう。
- セキュリティ面でリスクがある
- システム障害などの影響を受けやすい
- カスタマイズに制限がある
1.セキュリティ面でリスクがある
PaaSはクラウドサービスを通じて外部に業務委託をするため、セキュリティ面でのリスクが発生しかねません。例えばセキュリティ対策を講じていない企業に依頼すると、情報が漏えいしかねません。
自社の貴重なデータが漏えいしてしまうと、信頼問題につながってしまいます。自社の信頼を低下させないためにも、委託先はセキュリティ対策に注力している企業を選びましょう。
2.システム障害などの影響を受けやすい
システム障害などの影響を受けやすいことも、BPaaSのデメリットです。例えば外部の委託先でシステム障害が発生した場合、業務が滞ってしまいます。
業務進捗は委託先企業に依存するため、万が一に備えて、トラブル対応ワークフローを確立し共有しておきましょう。
3.カスタマイズに制限がある
上述のとおり、BPaaSでは委託先企業に依存するため、業務プロセスのカスタマイズに制限が発生してしまいます。そのため自社独自のニーズや要件に対応しきれない可能性があるでしょう。
BPaaS導入前に確認すべきポイント

BPaaS導入前には次のようなポイントを確認しておきましょう。
- 導入の目的は何か
- 依頼したい業務に対応しているか
- 現在の組織で活用できるか
- セキュリティ対策は万全か
導入の目的は何か
BPaaS導入にあたってはなぜ導入するのか、目的を明確にしておくことが大切です。導入そのものが目的化してしまうと、メリットを引き出せない可能性があります。
導入目的を明確にするには、現状の業務プロセスが抱える課題を洗い出しが必要です。課題に対して、BPaaSでどのように解決できるかを検討し、目標として社内に共有しましょう。
依頼したい業務に対応しているか
BPaaSの提供元はいくつもあり、なかには自社が依頼したい業務に対応していないケースもあります。そのため、導入する際は、依頼したい業務に対応しているかどうかを確認しましょう。提供元によっては、依頼したい業務の実績が豊富なこともあります。実績が豊富な提供元であれば安心して導入できるでしょう。
現在の組織で活用できるか
BPaaS導入にあたっては現在の組織で活用できるかの確認が大切です。例えば組織内に専用のプロジェクトを立ち上げて、進捗管理や委託先とのコミュニケーションを取ることで、スムーズな導入につながります。
また、利用する従業員を対象に、研修会を実施して活用する体制を整えましょう。利用方法や注意点を共有しておけば、導入後の早期定着も期待できます。
セキュリティ対策は万全か
先述のとおり、BPaaSにおいてはセキュリティ対策が重要です。例えば、提供元がセキュリティ認証を取得しているか、セキュリティルールを確立しているかなどを確認してみましょう。また、万が一のセキュリティリスクに備えて、リスク要因の事前把握や運用ルールの作成も大切です。
給与計算や経理業務は『CLOUD BUDDY』にお任せください
給与計算や経理業務の外部委託を検討しているのであれば、『CLOUD BUDDY』がおすすめです。
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バックオフィス業務の外部委託を検討している方は、ぜひ『CLOUD BUDDY』にお任せください。
BPaaSを検討しコア業務に専念しよう
BPaaSとはクラウドのソフトウェアを活用して、業務委託を進めていくサービスです。生産性の向上や人件費削減が期待できるため、人手が不足し人件費が高騰している現代で注目されています。
BPaaSによるメリットを最大化するには、導入目的の明確化やセキュリティ対策への対応などが求められます。
『CLOUD BUDDY』は、業務を担当するスタッフへのセキュリティ教育実施やセキュリティソフトの定期的な更新を徹底しています。生産性向上やコア業務への注力を検討している方はぜひご相談ください。