業務効率化や自動化を進めたいと考える中小企業の間で、今注目されているのが「Bpaas(ビーパース)」です。
クラウド上で業務そのものをサービスとして提供するこの仕組みは、経理や人事、カスタマーサポートといった定型業務をスムーズに処理し、限られた人材でも高い生産性を実現できます。
本記事では、Bpaasの基本から実際の活用事例、他ツールとの組み合わせ方、中小企業が成果を出すまでのステップまで、実践的な視点でわかりやすく解説します。導入前の参考にぜひご活用ください。
目次
Toggle業務プロセス・業務フローとは
業務改善を図るうえで欠かせないのが、「業務プロセス」と「業務フロー」の正しい理解です。この2つは似ているようで役割が異なり、どちらも企業の生産性向上に直結する重要な概念です。
業務プロセスはビジネスの全体像を示し、業務フローはそのプロセスを具体的な手順に落とし込むもの。
それぞれの意味と違いを押さえることで、現場レベルでの改善活動にも説得力と実効性が生まれます。
業務プロセス=一連の仕事の流れ
業務プロセスとは、目標達成のために行われる一連の仕事の流れ全体を指します。たとえば「請求業務」であれば、見積作成から請求書発行、入金確認、売上計上までが一つのプロセスです。それぞれの業務は個別に見れば小さな作業でも、それがつながってこそビジネスは回ります。
この業務プロセスを最適化することで、ムダな工程を省き、全体のスピードアップやコスト削減が実現します。つまり、企業の利益体質への第一歩は「流れを整えること」から始まるのです。
業務フロー=各ステップの具体的な手順
一方、業務フローとは業務プロセス内の各ステップを具体的に記述したものです。誰が、いつ、何を、どの順番で行うのかを図や文で明示します。
「経費精算」の業務フローでは、社員が申請→上長が承認→経理が処理→振込実施、といった具体的な流れが可視化されます。
このように業務フローは、プロセスを実行可能な手順として落とし込んだものであり、実務との橋渡し的な役割を果たします。
業務フロー図の役割と活用方法
業務改善の第一歩として注目されるのが「業務フロー図」の活用です。
業務の流れを図式化することで目に見えにくい課題や非効率な部分を明らかにし、改善の糸口をつかむことができます。
関係者間での共通認識づくりや教育ツールとしても大いに役立ち、属人化の解消にもつながります。
業務の見える化がもたらす実用的な効果を、具体的に解説します。
業務の可視化で課題を明確にする
業務フロー図を作成する最大の目的は「業務の見える化」です。業務がどう流れているかを図に落とし込むことで、どこにムダがあるのか、どこで手戻りが起きているのかを直感的に把握できます。
ある業務で承認フローが複雑になっていたり、無意味な二重入力があったりする場合、フロー図にすることで問題が浮き彫りになります。改善の第一歩として、視覚化は非常に効果的です。
関係者間の共通認識を形成できる
業務フロー図は、部署をまたいだ業務の共通理解にも役立ちます。
口頭での説明では伝わりづらい複雑なフローも、図として共有すれば誰でも把握できます。
特に新規プロジェクトやシステム導入時には、関係者全員で同じフロー図を見ながら議論できるため、認識のズレを防げます。属人的な知識がチームの資産へと変わる瞬間でもあります。
マニュアルや教育資料にも転用可能
作成した業務フロー図は、そのままマニュアルや研修資料としても活用可能です。
新入社員への教育や、異動時の引き継ぎ資料としても効果的です。業務のやり方が「見える」状態になることで、現場の混乱を防ぎ、早期の戦力化が期待できます。
現状の業務フローによくある課題
業務フローを整理しようとしても、実はその前段階で多くの企業が共通の課題を抱えています。
属人化や手順の曖昧さ、ツールの乱立によって、業務が複雑化・非効率化しているのです。
これらの問題は改善の出発点を見つけにくくする原因でもあります。ここでは、よく見られる代表的な業務フロー上の課題を詳しく解説します。
属人化により「その人がいないと進まない」
業務が属人化してしまっていると、特定の人しか対応できない状態に陥ります。
その人が休んだり退職したりすれば、業務が止まってしまうリスクが高くなります。
これは企業としてのリスク管理の観点からも大きな問題です。
属人化している業務は引き継ぎもしづらく、担当者が変わるたびにトラブルが起こりやすくなります。結果として、育成コストや管理コストが無駄にかかる要因にもなります。
手順が曖昧なまま引き継がれ非効率になる
「なんとなく前任者のやり方を踏襲している」といったケースは多く見受けられます。
正式なフローがなく、言語化・文書化されていない業務は属人化と非効率の温床になります。
その結果、エラーが多発したり、同じ業務を二度手間で処理してしまうといったミスが増えるケースもあるでしょう。
特に新任担当者がマニュアルもなく業務を行う場合、判断に迷ったり、無駄な確認作業が増えることで、業務全体のスピードと精度が落ちてしまいます。
ツールが乱立し、情報が分断されている
現場の判断でさまざまなツールを導入してしまい、連携されていない状態になっているケースもあります。
例えば、申請はGoogleフォーム、承認はメール、記録はExcel……といった分断された運用では、ミスや漏れが起きやすく、確認作業にも手間がかかります。
ツールごとに操作が異なるため教育コストも増加し、結果的に情報が部門ごとに閉じてしまい、組織全体での可視性が失われてしまうという副作用も生まれます。
業務プロセス改善の必要性
業務プロセスの見直しや最適化は、企業の競争力を高めるために欠かせない取り組みです。
コスト削減や生産性向上といった経営的なメリットだけでなく、従業員の満足度向上や品質の安定化など、組織全体に好循環をもたらします。
このセクションでは、業務プロセス改善がもたらす代表的な効果を紹介します。
コスト削減・生産性向上につながる
業務のムダや重複を省き、必要な工程に集中することで、作業時間とコストを大幅に削減できます。
プロセスが洗練されることで業務のスピードも上がり、より多くの成果を短時間で生み出せるようになるといった効果も期待出来るでしょう。
承認フローを簡素化するだけでも、1件あたりの処理時間が数分短縮され、月間では数十時間もの工数削減に繋がることもあります。
こうした改善は、企業の利益構造の見直しにも直結する重要なポイントです。
業務の標準化で品質が安定する
改善されたプロセスを標準化することで、誰が行っても同じ品質で成果が出せるようになります。
これは、社内での品質担保や、顧客に対するサービスレベルの均一化にもつながります。
標準化されたフローにはマニュアルやガイドラインが整備されるため、新人や異動者でもスムーズに業務に適応でき、ミスの発生率も低減されます。
外部監査への対応や品質保証体制の整備にも役立つため、対外的な信頼性の向上にもつながります。
従業員の負担軽減と離職防止にも効果的
業務が複雑で非効率だと、従業員に過剰なストレスがかかります。
改善によって作業の流れがスムーズになれば、心理的・時間的な余裕が生まれ、職場への満足度も向上します。
これが結果的に離職率の低下にも寄与します。特にバックオフィス部門などでは、非効率なルーティン作業が蓄積されやすく、モチベーション低下の要因になりがちです。
業務プロセス改善は、従業員の働きがいを高める環境整備としても重要な役割を果たします。
業務プロセス見直しの進め方
業務の効率化を図る第一歩は、「現状の把握」と「問題点の見える化」です。
漠然とした課題感を持つだけでは改善は進みません。
具体的にどの業務が、誰の手で、どんな流れで行われているのかを整理し、業務フローとして視覚化することで、非効率や属人化の問題点が浮き彫りになります。
このセクションでは、プロセス改善を成功に導くための基本的な手順を解説します。
現状把握と業務の棚卸し
まずは自社の業務を洗い出し、どのようなプロセスが存在しているのかを整理します。業務名、担当者、使用ツール、発生頻度などの項目で一覧化するのが有効です。
この段階では、「どの業務が重要か」「どこに時間がかかっているか」「属人化していないか」といった観点で棚卸しを行います。
業務フロー図の作成と課題の洗い出し
棚卸しをもとに業務フロー図を作成し、各業務の流れを視覚化します。業務の分岐点や判断ポイント、承認フローの複雑さなどを明確にすることで、改善すべき箇所が見えてきます。
課題が明らかになったら、それに対して「削除」「統合」「自動化」などの方針を立てていきます。
業務改善ツールの選び方
業務改善を進めるうえで、ツールの選定は成果を左右する重要なステップです。
ただし「多機能=最適」ではなく、自社の業務に本当に必要な機能が備わっているか、そして現場にしっかりと定着できるかどうかがカギとなります。
このセクションでは、業務内容や導入目的に応じたツール選びのポイントをわかりやすく解説します。
業務内容に適した機能の有無
ツールは、業務の性質に合ったものを選ぶことが重要です。
たとえば、ワークフローを自動化したい場合は申請・承認の仕組みがしっかりしているものを、マニュアル作成ならテンプレート機能や画像挿入ができるものを選びましょう。
使いやすさ・社内定着のしやすさ
高機能でも使いこなせなければ意味がありません。誰でも直感的に操作できるUIや、マニュアルが充実しているかどうか、導入前のトライアルが可能かどうかも選定のポイントです。
また、社内に浸透しやすいかどうかは、導入後の効果を左右する重要な要素です。
業務改善の相談は『CLOUD BUDDY』へ
業務プロセス改善は一朝一夕に進むものではありません。第三者の視点から業務を分析し、最適なツールや改善手法を提案してもらうことが成功の近道です。
『CLOUD BUDDY』では、業務の棚卸しからフロー図作成、ツールの導入支援まで、ワンストップで企業の改善活動をサポートしています。現場の運用を理解しながら伴走するスタイルで、多くの企業から高い評価を得ています。
まとめ|業務プロセスの改善が企業の競争力を高める
業務プロセスと業務フローを整えることは、単なる効率化ではなく、企業全体の体質改善につながります。無駄の排除、標準化、ツール活用によって、コスト削減や品質安定、従業員満足の向上を同時に実現することが可能です。
変化の激しい時代において、限られたリソースを有効活用するためには、日々の業務の「やり方」こそが見直しの対象です。今こそ、業務フローを整え、利益体質への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。