採用担当者の皆さんなら、こうした悩みをお持ちではないでしょうか。求人票を出しても応募が集まらない、面接に来ない、採用にかかるコストが膨らむばかり。
こうした採用難の時代にあって、多くの企業は従来の求人サイトや新聞広告だけに頼るのではなく、より多くの採用チャネルを活用し始めています。実は、求職者の行動も変わってきており、情報を受動的に待つのではなく、自分から積極的に企業情報を探すようになってきました。
そこで本記事では、現在注目されている5つの新しい採用手法と、それぞれの特徴、そして導入する際に役立つツールについて詳しく解説します。この記事を読むことで、あなたの企業に最適な採用チャネルを選ぶための判断軸が得られ、採用効率の向上につながるでしょう。
目次
Toggle新しい採用手法と特徴
採用市場が大きく変わりつつある現在、企業にとって必要なのは多角的なアプローチです。ひとつの採用手法に依存するのではなく、複数のチャネルを組み合わせることで、より多くの優秀人材にアプローチできるようになります。
ここでは、現在注目を集めている5つの新しい採用手法について、それぞれの特徴と活用のポイントを説明していきます。
SNS採用
SNS採用とは、TwitterやInstagram、LinkedInといったソーシャルメディアプラットフォームを活用した採用手法です。求職者が日常的に利用しているSNSに企業情報や求人情報を発信することで、より自然な形で企業と人材がつながる仕組みになっています。
従来の求人サイトとは異なり、求職者が受動的に情報を待つのではなく、能動的に企業をフォローし、情報を得るというプロセスを通じて、企業への親近感や興味が段階的に高まるという特徴があります。
このため、採用後の定着率も高い傾向にあり、長期的な人材確保に有効な手段として活用する企業が増えています。特にSNS上でブランド情報や社内文化を発信することで、企業のファンづくりにもつながるでしょう。
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングは、企業が直接求職者にアプローチをかける採用手法です。LinkedInなどのビジネス系プラットフォームやデータベースから、必要とするスキルや経験を持つ人材を探し出し、企業側から声をかけるというアプローチになります。
従来の求人掲載型では、応募を待つという受動的なスタイルでしたが、ダイレクトリクルーティングは企業が採用ターゲットを明確に定義し、そのペルソナに合致した人材を能動的に探すため、採用の成功確度が高いという利点があります。
また、転職活動を積極的には行っていない優秀層にもアプローチできるため、競争相手よりも先に人材を確保できるケースも多くあります。人員構成の最適化や専門分野の強化が必要な際に、特に有効な手法として注目されています。
リファラル採用
リファラル採用とは、現在働いている従業員からの紹介を通じて人材を採用する手法です。既存従業員が信頼できる人を紹介するため、採用後のマッチング精度が極めて高く、定着率も優れているというメリットがあります。
また、紹介された候補者は既に企業文化や仕事内容について一定の理解を持った状態で入社するため、オンボーディング期間が短くなり、現場へのスムーズな統合が実現しやすくなるでしょう。加えて、外部の採用サービスに依存する必要が減るため、採用コストの削減にもつながります。
リファラル採用を成功させるには、従業員が紹介したいと思える企業文化づくりと、紹介制度の運用を支援するツールの導入が重要になってきます。良好な職場環境が構築されている企業ほど、このチャネルからの採用が活発化する傾向があります。
バーチャル採用
バーチャル採用は、オンラインツールを活用して完全にリモートで採用プロセスを進める手法です。説明会、面接、内定者研修に至るまで、すべてをオンラインで実施することで、地理的な制限がなくなり、全国や世界から優秀人材にアプローチできるようになります。
特に急速に進むテレワーク化に伴い、オンラインでの採用プロセスに適応した求職者が増えており、採用の利便性が向上しています。また、採用担当者の移動時間やコストも削減でき、採用業務の効率化にもつながります。
ウェビナー形式の説明会を開催すれば、一度に多くの候補者にリーチできるため、採用活動の規模を効率的に拡大することも可能になってきました。デジタルネイティブ世代の人材確保には、特に効果的なアプローチとなっています。
データドリブン採用
データドリブン採用とは、採用プロセス全体を通じて収集したデータを分析し、採用の質と効率を高める手法です。
応募者データ、面接評価、入社後の成績データなどを統合的に分析することで、採用ターゲットの精度を高めたり、採用ステップごとの歩留まり率を改善したりできます。例えば、どのような経歴や特性を持つ人材が入社後に活躍するのかを客観的に把握することで、採用基準の最適化が実現するでしょう。
また、採用マネジャーの勘や経験則に頼るのではなく、データに基づいた意思決定ができるため、採用ミスマッチが減少し、長期的な人材定着につながります。採用の継続的な改善が求められる環境において、データドリブン採用は企業競争力を高める上で不可欠な戦略となりつつあるといえるでしょう。
新しい採用手法が注目される背景
これまで説明した5つの採用手法が注目される理由は、採用環境そのものが大きく変わってきたことにあります。求職者の行動や価値観の多様化、人材獲得競争の激化、企業に求める要素の変化など、複数の要因が重なり合っています。
ここからは、新しい採用手法が注目されるようになった背景について、より詳しく掘り下げていきます。
求職者が情報を自分で選ぶ時代になった
ひと昔前は、求職者は求人サイトや新聞広告という限定的な情報源から、受動的に企業情報を得ていました。
しかし現在では、SNSやGoogleなどで企業について独自に調べ、企業のウェブサイトやSNS、口コミサイトから情報を収集し、自分たちで判断する時代へと大きく変わってきています。求職者はもはや与えられた情報だけでなく、自ら情報を取捨選択し、その企業の実態を多角的に理解した上で応募を判断するようになりました。
このため、企業側も一方的に情報を発信するだけでなく、求職者が利用するプラットフォームに出現し、透明性の高い情報を継続的に発信することが重要になりました。求職者との信頼関係構築を重視した採用手法へのシフトが、今日的な採用成功の鍵であるといえるでしょう。
人材獲得競争が激化している
日本の人口減少に伴い、労働人口も減少傾向にあります。同時に、全体的な労働力不足が深刻化する中で、企業間の人材獲得競争は年々激しくなってきました。
大手企業だけでなく、中小企業や成長段階の企業も優秀人材を求めるようになり、限られた人材をめぐる競争がより白熱化してきました。このような環境では、従来型の採用手法だけでは必要な人材を確保することが難しくなってきています。複数の採用チャネルを組み合わせ、より多くのアプローチ方法を用意することで、競争優位を確保する必要が出てきました。
また、求職者側も複数の企業からアプローチを受ける立場となり、より自分のニーズに合った企業を選ぶようになりました。企業側も求職者にとって魅力的な存在になるための工夫が求められています。
「共感」や「WLB」がテーマになっている
現代の求職者にとって、給与や福利厚生といった待遇面だけでなく、企業の理念や社会への貢献度、ワークライフバランスといった要素がますます重要になっています。
特に若い世代を中心に、自分の人生観や価値観と合致する企業を選ぶ傾向が強まっており、単なる雇用関係ではなく、共感に基づいた採用が求められるようになってきました。企業が社会的にどのような責任を果たしているのか、働く環境はどうなっているのか、従業員の成長機会が用意されているのかといった点が、採用の可否を左右する重要な判断基準となっています。
このため、SNSやコンテンツマーケティングを活用した企業ブランドの醸成や、従業員の声を積極的に発信することで、求職者に対して「この企業で働きたい」という共感を生み出すアプローチが注目されています。
多彩な採用手法に対応するチャネル・ツール例
新しい採用手法を実際に導入する際には、適切なツールやプラットフォームの選定が重要になります。市場には多くのツールが存在しており、企業のニーズに応じた最適なソリューションを選ぶことで、採用効率を大きく高められるでしょう。
ここからは、各採用手法に対応した具体的なツールやプラットフォームについて紹介していきます。
①Wantedly|「共感採用」に強いSNS型プラットフォーム
Wantedlyは、企業と求職者をつなぐSNS型のプラットフォームで、特に共感に基づいた採用を実現するために設計されています。
従来の求人サイトとは異なり、企業のビジョンやカルチャー、実際に働く従業員の声などを発信することで、求職者との感情的なつながりを構築するのが特徴です。企業のページをフォローすることで、求職者は継続的に企業情報を得られ、その過程で企業への理解と信頼が段階的に深まっていきます。
また、直接メッセージのやり取りが可能で、採用側と求職者の距離を近づけることができるため、採用面接までの流れがスムーズになるケースが多いです。SNS採用とリファラル採用の両方に対応できるプラットフォームとしても活用されており、多くの成長企業や中小企業から支持を受けています。
出典参照:共感でつながるビジネスSNS Wantedly|ウォンテッドリー株式会社
②MyRefer|社員紹介制度(リファラル採用)の管理ツール
MyReferは、リファラル採用を組織的かつ効率的に運営するために開発された専門ツールです。従業員からの紹介候補者を一元管理し、紹介フローの進捗を可視化することで、リファラル採用プロセスの透明性が大きく向上します。
また、紹介した従業員へのインセンティブ管理も自動化でき、紹介制度そのものの運用負担が軽減されるでしょう。さらに、データ分析機能により、どのような職種や職位の紹介が多いのか、紹介による入社者の定着率はどうなっているのかといった情報が可視化されます。
これにより、リファラル採用をより戦略的に推進し、継続的に改善できるかもしれません。従業員の満足度が高い企業ほど、このツールを活用したリファラル採用で成果を出しやすいといえます。
出典参照:リファラル採用サービス MyRefer|株式会社TalentX
③カオナビ|採用ターゲット精度向上やスキル管理に便利
カオナビは、採用管理と人材管理を統合したプラットフォームで、採用ターゲットの精度を高めたり、入社後の人材スキルを一元管理したりすることができます。応募者データを詳細に管理し、採用ステップごとの進捗を可視化することで、採用効率の分析が容易になるでしょう。
また、入社後のスキル管理機能を活用することで、どのような背景を持つ人材が社内でどのように活躍しているかを把握でき、採用基準の最適化につながります。
このように採用から人材活用まで一貫したデータ管理が実現するため、データドリブン採用を推進する際に特に有用なツールであるといえるでしょう。さらに、組織図の自動生成や異動管理などの機能も備わっており、人事業務全体の効率化に貢献するソリューションとなっています。
出典参照:社員の個性・才能を発掘し戦略人事を加速させるタレントマネジメントシステム|株式会社カオナビ
採用手法の選定は『CLOUD BUDDY』へご相談ください
現在、多くの企業が複数の採用手法を組み合わせ、採用戦略の最適化に取り組んでいます。しかし、新しい採用手法やツールが次々と登場する中で、自社にどの手法が最適なのか、どのツールを導入すべきなのかを判断することは決して容易ではありません。
企業の規模、事業内容、採用ニーズ、現在の採用課題など、様々な要因を総合的に考慮した上で、戦略的な採用計画を立案する必要があります。このような採用戦略の策定と実行において、是非とも『CLOUD BUDDY』にご相談ください。採用課題の分析から始まり、最適な採用手法の提案、ツール導入のサポート、運用支援に至るまで、採用成功に向けた包括的なコンサルティングを提供させていただきます。
まとめ|自社に合う採用手法で人を増やそう
採用市場の急速な変化に対応するために、企業には複数の採用チャネルを戦略的に組み合わせた採用アプローチが求められるようになっています。SNS採用、ダイレクトリクルーティング、リファラル採用、バーチャル採用、データドリブン採用といった5つの手法は、それぞれ異なる特徴と強みを持っており、企業の状況に応じて使い分けることが重要です。
従来型の採用手法だけに依存するのではなく、新しい採用手法の活用を検討し、採用効率と採用の質の両面で改善を図ることで、企業の成長を支える優秀人材の確保が実現するでしょう。自社にとって最適な採用戦略を構築し、競争激化する人材獲得市場において優位性を確保していきましょう。






