自社の従業員だけでは人手が足らない、従業員の長時間労働が常態化しているといった悩みを抱えている企業は一定数あります。人手不足や長時間労働を放置していると、従業員の離職につながりかねません。
少ない人手や長時間の労働を解消するのに有効なのが外注化です。
自社の業務を外部のパートナーに委託すれば、従業員は注力すべき業務に時間をかけられるでしょう。また、外部の専門性を活用できるというメリットもあります。自社で新たに専門家を採用するコストも削減可能です。
この記事では外注化がもたらす効果や効果を最大化するための注意点などを詳しく解説します。従業員の業務負担軽減や新たなビジネスへの着手を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
Toggle外注化がもたらす5つの効果
企業が業務を外注化した場合、以下のような効果がもたらされるでしょう。
- コスト削減と経済的メリット
- 業務効率化と生産性向上
- 専門性の活用と品質向上
- 事業拡大と新しいビジネスチャンス
- 従業員のモチベーション向上と働き方改革
いずれも企業が事業活動を進めるうえで有効に働く効果です。ここでは、それぞれの効果について詳しく解説します。外注化による効果を把握しておけば、経営陣の理解も得やすいでしょう。
効果1.コスト削減と経済的メリット
外注化による効果の代表例がコスト削減です。社員を一人雇用するとなると、給与だけでなく社会保険料や福利厚生費、さらに教育研修費用など、さまざまなコストが発生します。
例えば、東京都で協会けんぽに加入している月収30万円の従業員を雇用している場合、企業は毎月2万7,450円の厚生年金保険料を負担しなければなりません。
これらは事業の規模が大きくなるにつれて、固定費として重くのしかかる可能性があります。
しかし、外注化を利用すれば、必要な業務を必要な時にだけ依頼できるため、人件費を変動費化できます。これにより、無駄なコストを抑えながら、事業の状況に応じて柔軟に支出を調整することが可能です。特に、季節的な需要変動や一時的なプロジェクトなど、常に人手が必要なわけではない業務では、この効果は顕著に現れるでしょう。
また、専門性の高い業務を外注すれば、自社で専門家を育成・雇用するよりも、コストを抑制可能です。
出典:令和7年度保険料額表(令和7年3月分から)|全国健康保険協会
効果2.業務効率化と生産性向上
事業が拡大するにつれて、定型業務やノンコア業務が増えていく傾向にあります。定型業務やノンコア業務は、従業員がコア業務に注力する時間を奪いかねません。
専門性の低い業務やルーティンワークを外注化すれば、社員はより付加価値の高い業務に集中できます。例えば、データ入力や経理処理、カスタマーサポートといった業務を外部に任せれば、自社の従業員は新サービスの開発や顧客との関係構築など、事業の成長に直結する業務に時間を割くことができます。
このように、定型業務やノンコア業務を専門的に請け負っている外注先に依頼できれば、自社で対応するよりも早いスピードでの処理も期待できるでしょう。
効果3.専門性の活用と品質向上
外注化による効果のひとつが、専門性の活用と品質の向上です。例えば、新たな事業の一環として動画制作に取り組むといった場合、自社に専門的なスキルが蓄積されていないと、進捗が芳しくないでしょう。
一方、外部の専門家であれば、特定の分野について深く精通していて、最新動向まで把握している可能性があります。専門家のスキルを活用すれば、自社で対応するよりも高い品質のコンテンツ制作やサービス提供につながるでしょう。高い品質のコンテンツ、サービスは企業の価値、顧客満足度も高めるきっかけとなります。
効果4.事業拡大と新しいビジネスチャンス
新たなビジネス立ち上げ時、外注化は専門性につながるだけではありません。スピーディな事業拡大につながるという効果もあります。
従来のように自社で新たなビジネスに適した人材を確保しようとすると、時間がかかってしまうでしょう。既に社内にいる従業員を育成しようとする場合も同様です。
対して、外注化であれば専門的なスキルを持つスタッフをすぐに手配できるため、迅速に事業拡大につなげられます。また、外注化はリスクを分散させる効果もあります。大きな固定費を抱えるリスクを回避できるため、より気軽に新しいビジネスに挑戦しやすくなるでしょう。
効果5.従業員のモチベーション向上と働き方改革
日々のルーティンワークや専門外の業務に追われていると、従業員のモチベーションは低下しがちです。本来の業務に集中できず、やりがいを感じられない状況は、離職率の増加につながりかねません。
現代は15歳から64歳の生産性労働人口が減少傾向にあり、2050年には5,275万人と2021年から29.2%も減少するとされています。このように、人手不足が深刻化するなか、従業員のモチベーションを維持し、自社に定着してもらうことは企業にとってメリットです。
業務を外注化させることで、従業員のモチベーションを向上させられ、さらには長時間労働の是正にもつながるでしょう。
効果を最大化するための外注化の注意点
外注化による効果を最大化するためには、以下のような注意点を押さえておきましょう。
- 適切な外注先の選定
- 明確な要件定義と情報共有
- セキュリティと秘密保持契約
- 品質管理と進捗管理
例えば、スムーズな連絡が取れる外注先であれば、業務やプロジェクト停滞のリスクを軽減可能です。
ただ、業務を外部に委託しても、自社が臨んでいる結果を得られるとは限りません。
ここでは外注化にあたり覚えておきたい注意点を詳しく見ていきましょう。
適切な外注先の選定
外注化を成功させるための最初のステップは、適切な外注先を選ぶことです。外注先はパートナーとも言える存在であり、その選択がプロジェクトの成否を大きく左右します。
まず、依頼する業務内容に合った専門性や実績があるかを確認しましょう。過去の事例やポートフォリオを見せてもらい、自社の求めるレベルの仕事ができるかを見極める必要があります。また、単にスキルが高いだけでなく、コミュニケーションを円滑に行えるかどうかも大切なポイントです。業務についてさまざまなやり取りが発生することが予想されます。そのため、プロジェクトの途中で不明点が出てきた場合や、方針を変更したい場合に、スムーズにやり取りできる相手であるかを見定める必要があるでしょう。
明確な要件定義と情報共有
外注化においては、「何を、いつまでに、どのような品質で」といったように要件を明確にしましょう。依頼側が漠然としたイメージしか持っていないと、外注先は期待する成果を出すことが難しくなってしまいます。
プロジェクトを開始する前に、業務範囲、目標、納品形式、納期、予算などを詳細に文書化し、双方で合意しておくべきです。これにより、後々の認識のずれやトラブルを防ぐことができます。
また、プロジェクトが始まってからも、定期的な情報共有は欠かせません。進捗状況を共有し、問題が発生した場合には速やかに連携をとることで、軌道修正が可能になります。特に、複数の外注先に業務を依頼している場合は、全体像を把握し、一貫した方向性を保ちましょう。
セキュリティと秘密保持契約
外部に業務を委託する際には、情報漏えいのリスクが常に存在します。特に、顧客情報や企業の機密情報を取り扱う場合は、漏えいリスクを最小限に抑えるための対策を講じることが不可欠です。
外注先と契約を結ぶ際には、秘密保持契約(NDA)を締結することが一般的です。この契約により、外注先は業務上知り得た情報を外部に漏らさない義務を負います。また、具体的な情報の取り扱い方法についても、細かく取り決めておきましょう。
例えば、データの保存方法やアクセス権限、業務終了後の情報消去など、具体的なルールを明記することで、セキュリティを強化できます。外注先のセキュリティ対策状況を事前に確認し、自社の基準を満たしているかどうかもチェックする必要があるでしょう。
品質管理と進捗管理
外注した業務の品質を維持し、スケジュール通りに進めるためには、依頼側が継続的い管理していくことが求められます。外注先にすべてを任せきりにするのではなく、定期的なチェックやフィードバックを行う体制を整えておくことが望ましいです。
具体的には、定期的に進捗報告を求めたり、マイルストーンを設定して中間成果物を確認したりする方法があります。これにより、問題が早期に発見でき、手遅れになる前に対応することが可能になります。
また、納品された成果物が期待する品質を満たしているかを厳しくチェックしましょう。もし品質に問題があれば、具体的なフィードバックを伝え、改善を求める必要があります。外注先と良好な関係を築きながらも、必要な場面では毅然とした態度で臨むことで、最終的な成果物の質を高めることができます。
外注化の効果測定と継続的な改善
外注化は、単に業務を外部に委託するだけでは終わりません。その真価を発揮するためには、効果を定期的に測定し、改善を続けることが不可欠です。適切な評価と見直しを行うことで、外注化はより大きな成果を生み出す可能性があるでしょう。
ここでは、外注化の成功を確実にするための、効果測定と継続的な改善について解説します。
KPI(重要業績評価指標)の設定
外注化の効果を客観的に評価するためには、KPI(重要業績評価指標)を設定しましょう。KPIを設定することで、漠然とした感覚ではなく、具体的な数値に基づいて成果を判断できます。
例えば、コスト削減を目的としていれば、外注化前後の人件費や運営費の比較がKPIです。生産性向上を目的とするなら、業務にかかる時間や処理件数などが指標となるでしょう。これらの数値は、外注先の選定段階で決定しておくのが理想的です。
KPIは、単に目標を数値化するだけでなく、外注先と共通のゴールを持つためのツールでもあります。お互いが同じ指標を追いかけることで、協力体制が強化され、より質の高い成果を目指せるでしょう。
定期的なレビューと改善サイクル
外注化の効果を持続させるためには、定期的なレビューが欠かせません。プロジェクトの開始後も、定期的に進捗状況や成果物をチェックし、当初の目的が達成されているかをチェックしていきましょう。
レビューの際には、外注先からの報告を鵜呑みにせず、自社の視点からも評価を行う必要があります。もし、期待する効果が出ていなければ、その原因を特定し、改善策を検討します。例えば、業務の進め方に問題があるのか、あるいは当初の要件定義に不備があったのかなど、根本的な原因を探る必要があるでしょう。
外注先とのコミュニケーションを密に保ち、課題を共有しながら改善策を一緒に考えることで、より良い関係の構築につながります。
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外注化の効果を最大化したい方は、『CLOUD BUDDY』にご相談ください。『CLOUD BUDDY』は、業務の効率化とコスト削減を実現するために、最適なBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)サービスを提供しています。
シンプルな業務の委託はもちろんのこと、複雑な工程、専門性が必要な業務の委託にも対応しています。自社の従業員の負担を軽減させ、コア業務に注力させたいとお考えの方はぜひご相談ください。
まとめ|外注先を選定して効果を引き出そう
外注化は、企業のコスト削減や業務効率化、品質向上、コア業務への注力などの効果をもたらします。外注先選定を慎重に行い、適切な要件定義と情報共有を行うことで、最大限の効果を引き出すことができます。外注化を自社にとって有益なものにするのであれば、継続的な改善と効果測定を行い、外注化のメリットをさらに強化させましょう。
『CLOUD BUDDY』では、外注化を活用した業務改善をサポートしていますので、ぜひご相談ください。
 
															





