総務部門は、社内の幅広い業務を支える重要な役割を担っていますが、その分業務量も多く、日々の対応に追われているケースが少なくありません。
定型業務から突発的な問い合わせ対応まで、多岐にわたる業務をこなしながら、効率化の余地を見つけるのは容易ではないでしょう。しかし、適切なアイデアとツールを活用すれば、業務の質を保ちながら生産性を高められます。
この記事では、総務部門の効率化に役立つ具体的なアイデアを紹介し、業務改善を進めるためのポイントを解説していきます。さらに、実際に活用できる便利なツールも取り上げますので、総務業務の負担軽減を目指す方はぜひ参考にしてください。
目次
Toggle総務の効率化に役立つアイデア
総務部門の効率化を進めるには、やみくもに新しいツールを導入するのではなく、業務全体を見渡した上で戦略的に取り組む必要があります。
ここでは、実践的な効率化アイデアを3つ紹介していきます。これらのアイデアを組み合わせることで、より効果的な改善が期待できるでしょう。
業務内容ごとに「重要度・頻度・自動化可否」で分類しつつ進める
総務業務は種類が多く、どこから手をつけるべきか判断に迷うケースが多いものです。効率化を成功させるには、まず業務の棚卸しを行い、すべての業務を洗い出しましょう。その上で、各業務を重要度、発生頻度、自動化の可否という3つの軸で分類していきます。重要度が高く頻度も高い業務は、自動化できれば大きな効果が得られるため、優先的に取り組むべき対象といえるでしょう。
一方、重要度は高いものの頻度が低い業務については、マニュアル化して誰でも対応できる状態にしておくことが重要です。頻度が高くても重要度が低い業務は、思い切って簡略化したり、外部委託を検討したりする選択肢もあります。自動化が難しい業務でも、テンプレート化やチェックリストの整備によって、作業時間を短縮できる場合があるでしょう。
こうした分類作業を通じて、業務の全体像を把握し、効率化の方向性を明確にしていきます。感覚ではなくデータに基づいて判断すれば、より効果的な改善策を見出せます。
クラウドやワークフローを使ってペーパーレス化する
紙ベースの業務は、印刷や押印、保管スペースの確保など、多くの手間とコストがかかります。また、書類の紛失や検索の困難さといった問題も発生しやすいでしょう。クラウドサービスやワークフローシステムを導入すれば、こうした課題を一気に解決できます。
例えば、稟議や経費精算をクラウド上で完結させれば、承認者が外出先からでもスマートフォンで対応でき、決裁スピードが向上します。押印のために出社する必要もなくなり、働き方の柔軟性も高まるでしょう。契約書や請求書などの書類も電子化すれば、キャビネットに保管する必要がなくなり、オフィススペースの有効活用にもつながります。
検索機能を使えば、過去の書類も瞬時に見つけられるため、問い合わせ対応の時間も短縮できるでしょう。さらに、クラウドサービスは自動でバックアップが取られるため、災害時のリスク管理としても有効です。ペーパーレス化は環境面でのメリットもありますので、企業の社会的責任を果たす観点からも推進する価値があります。初期の移行期間は手間がかかりますが、定着すれば業務効率は確実に向上します。
社内問い合わせを「チャットボット」で自動化する
総務部門には、日々多くの社内問い合わせが寄せられます。備品の申請方法や休暇制度の確認、施設利用のルールなど、内容は多岐にわたるでしょう。こうした定型的な問い合わせ対応に多くの時間を割かれると、本来注力すべき業務に手が回らなくなってしまいます。
チャットボットを導入すれば、よくある質問には自動で回答できるようになり、担当者の負担を軽減できるでしょう。従業員も、わざわざ総務部門に連絡しなくても、24時間いつでも必要な情報を得られるようになります。チャットボットは、過去の問い合わせ履歴を分析して、頻出する質問をFAQとして登録しておけば、より精度の高い回答が可能になります。
また、チャットボットで解決できない複雑な問い合わせについては、担当者にエスカレーションする仕組みを設けておけば安心でしょう。導入当初は回答の精度を高めるための調整が必要ですが、運用を続けるうちに学習が進み、対応できる範囲が広がっていきます。問い合わせ対応の自動化は、総務部門の生産性向上に直結する重要な施策です。
総務での業務改善と生産性向上を実現するポイント
効率化のアイデアを実行に移す際には、闇雲に進めるのではなく、計画的なアプローチが求められます。
ここでは、業務改善を成功させるための3つのポイントを解説していきます。これらを意識して取り組めば、より確実に成果を上げられるでしょう。
現状把握と課題の「見える化」を目指す
業務改善を進める前に、まず現状を正確に把握しなければなりません。どの業務にどれだけの時間がかかっているのか、どこにボトルネックがあるのかを可視化していきましょう。担当者の感覚だけに頼るのではなく、実際に業務時間を計測したり、業務フローを図式化したりして、客観的なデータを集めます。
例えば、1週間の業務内容を記録し、各タスクにかかった時間を集計すれば、想像以上に時間を取られている業務が明らかになるかもしれません。また、担当者へのヒアリングを通じて、日々感じている課題や改善したい点を集約します。現場の声には、管理職が気づいていない重要な情報が含まれていることも多いでしょう。
課題を洗い出したら、それを一覧表やマトリクスにまとめて、チーム全体で共有します。見える化によって、改善すべきポイントが明確になり、関係者の間で共通認識を持てるようになります。現状把握なしに効率化を進めても、的外れな施策に終わってしまう恐れがありますので、この段階を丁寧に進めることが成功の鍵です。
優先順位をつけて改善計画を立てる
すべての課題を一度に解決しようとすると、リソースが分散して結局どれも中途半端になってしまいます。現状把握で明らかになった課題に対して、優先順位をつけて計画的に取り組みましょう。
優先順位を決める際には、効果の大きさと実現の容易さを軸に評価するとよいでしょう。効果が大きく、比較的実現しやすい施策から着手すれば、早期に成果を実感でき、チームのモチベーションも高まります。
一方、効果は大きいものの実現が難しい施策については、段階的なアプローチを検討します。小さな改善を積み重ねて、最終的な目標に近づけていく方法もあるでしょう。改善計画には、具体的なスケジュールと担当者、必要なリソースを明記しておきます。
期限を設けることで、取り組みが形骸化するのを防げます。また、定期的に進捗を確認し、必要に応じて計画を見直す柔軟性も大切です。計画通りに進まない場合でも、その原因を分析して次に活かせば、着実に前進できるでしょう。優先順位をつけた計画的な取り組みが、業務改善の成功確率を高めます。
業務の属人化を防ぎ「チームで回せる仕組み」にする
総務部門では、特定の担当者しか対応できない業務が発生しがちです。その担当者が不在の際に問い合わせがあると、対応が遅れたり、他のメンバーが対応できずに困ったりする事態が生じます。業務の属人化は、組織の柔軟性を損ない、担当者への負担集中も招くでしょう。こうした状況を改善するには、業務をチーム全体で共有できる仕組みを作る必要があります。
まず、各業務の手順をマニュアル化し、誰でも参照できる場所に保管しましょう。マニュアルには、作業の目的や注意点も記載しておくと、初めて対応する人でも理解しやすくなります。また、定期的にローテーションを組んで、複数のメンバーが同じ業務を経験できる機会を設けます。これにより、特定の担当者に依存しない体制が構築できるでしょう。
さらに、業務の進捗や課題を共有するための定例ミーティングを設けるのも効果的です。チーム内でのコミュニケーションが活発になれば、困ったときに助け合える関係性も育まれます。属人化を解消する取り組みは、短期的には教育コストがかかりますが、長期的には組織の安定性と生産性を高める重要な投資です。
総務の効率化に役立つ便利なツール例
総務業務の効率化を実現するには、適切なツールの活用が欠かせません。
ここでは、総務部門の様々な課題を解決できる代表的なツールを3つ紹介していきます。それぞれの特徴を理解して、自社のニーズに合ったツールを選びましょう。
①TUNAG|組織課題の解決や業務改善に役立つツール
TUNAGは、社内コミュニケーションの活性化や業務改善を支援するクラウドプラットフォームです。このツールの特徴は、社内の様々な情報を一元管理できる点にあります。社内規程や各種マニュアル、申請フォームなどを集約して掲載できるため、従業員が必要な情報にすぐアクセスできる環境が整うでしょう。総務部門へのよくある問い合わせ内容をFAQとして掲載しておけば、問い合わせ対応の負担も減らせます。
また、社内アンケート機能を使えば、従業員の意見や要望を効率的に収集でき、組織課題の発見にもつながります。掲示板機能やサンクスカード機能なども備えており、部門を超えたコミュニケーションの促進にも役立つでしょう。総務部門が主導して情報発信を行うことで、組織全体の一体感を高められます。
スマートフォンアプリにも対応しているため、現場で働く従業員も気軽に情報を確認できる点が便利です。組織課題の解決と業務効率化を同時に進めたい企業に適したツールといえます。
出典参照:エンゲージメント向上で働きがいのある組織を作る|株式会社スタメン
②LOOGUE FAQ|AI搭載のチャットボットで社内問い合わせ対応を自動化
LOOGUE FAQは、AI技術を活用したチャットボット型の社内FAQシステムです。従業員からの問い合わせに対して、自然言語処理によって適切な回答を自動的に提示できます。
総務部門に寄せられる定型的な質問、例えば休暇申請の方法や備品発注の手順などに、24時間365日いつでも即座に回答してくれるため、担当者の負担を軽減できるでしょう。AIが過去の問い合わせ履歴から学習するため、使えば使うほど回答精度が向上していきます。
また、チャットボットで解決できなかった質問については、有人対応にスムーズに切り替えられる仕組みも備えています。管理画面では、どのような質問が多いのか、解決率はどれくらいかといった分析データを確認でき、FAQの改善に活用できるでしょう。
既存のFAQページをそのまま取り込める機能もあるため、導入の手間も最小限に抑えられます。社内問い合わせ対応の自動化を進めたい企業にとって、導入効果の高いツールです。
出典参照:AIで簡単・簡潔に問い合わせを自動化|ARアドバンストテクノロジ株式会社
③sonar ATS|採用業務の効率化で入社後のフローも楽に
sonar ATSは、採用管理に特化したクラウドシステムで、総務部門の採用関連業務を大幅に効率化できます。応募者情報の管理から選考プロセスの進行、面接日程の調整まで、一元的に管理できる点が特徴です。採用担当者だけでなく、面接官や関係部署とも情報を共有できるため、スムーズな連携が可能になるでしょう。
また、応募者とのやり取りをテンプレート化できるため、メール作成の手間も削減できます。選考状況をダッシュボードで可視化できるので、進捗管理も容易です。さらに、内定者の入社手続きに関する機能も充実しており、必要書類の回収や研修案内などを効率的に進められます。入社後のオンボーディング業務とも連携できるため、採用から配属までの一連のフローを一つのシステムで管理できる点が便利でしょう。
採用活動が活発な企業や、入社手続きの負担を減らしたい総務部門にとって、有効なツールといえます。データの蓄積により、採用活動の分析や改善にも活用でき、戦略的な人材獲得を支援します。
出典参照:採用に競争力を。応募から入社まであらゆる採用管理に。|Thinkings株式会社
総務の効率化は『CLOUD BUDDY』へご相談ください
総務部門の効率化を実現するには、自社の課題に合ったツールを選定し、適切に導入・運用していく必要があります。しかし、数多くのツールの中から最適なものを選ぶのは容易ではなく、導入後の定着に課題を感じる企業も少なくありません。
『CLOUD BUDDY』は、クラウドサービスの導入支援を支援するパートナー企業として、総務業務の効率化を実現するお手伝いをしています。お客様の業務内容や課題をしっかりとヒアリングした上で、最適なツールをご提案し、導入から運用まで一貫してサポートします。
導入後も継続的に支援を行い、ツールを最大限に活用できる環境を整えられるでしょう。総務業務の効率化や生産性向上をお考えの際は、ぜひ『CLOUD BUDDY』へご相談ください。
まとめ|総務の効率化で業務改善・生産性向上を目指そう
総務部門の効率化には、業務の分類や優先順位付け、ペーパーレス化、チャットボットの活用など、様々なアプローチがあります。現状を正確に把握し、計画的に改善を進めることで、確実に成果を上げられるでしょう。
また、業務の属人化を防ぎ、チーム全体で対応できる仕組みを作ることも重要です。適切なツールを活用すれば、問い合わせ対応の自動化や情報の一元管理が実現し、生産性は大きく向上します。総務業務の効率化は、組織全体のパフォーマンス向上にもつながる重要な取り組みですから、今日から具体的なアクションを起こしていきましょう。






