経理の仕事が毎日遅くまで終わらず、月末月初は特に残業が続いてしまう、そんな悩みを抱えていませんか。請求書や領収書の処理、仕訳入力、経費精算といった業務が積み重なり、気づけば深夜まで作業しているという状況は、多くの経理担当者が直面している課題です。
経理業務が終わらない背景には、紙やExcelを使った非効率な作業方法、特定の担当者に業務が集中する属人化、ルールが統一されていない業務プロセスなど、さまざまな原因が潜んでいます。
本記事では、経理の仕事が終わらない具体的な原因を明らかにし、業務を効率的に終わらせるための実践的な方法を紹介していきます。記事を読めば自社の経理業務をどのように改善すればよいか、具体的な道筋が見えてくるでしょう。
経理の仕事が終わらない原因
経理の仕事が終わらない状況には、必ず原因があります。多くの企業では、長年続けてきた業務のやり方を見直す機会がなく、非効率なプロセスがそのまま残っているケースが少なくありません。
経理業務が終わらない主な原因としては、紙やExcelを使った手作業が中心になっている点、特定の担当者に業務が集中している属人化の問題、そして業務ルールや手順が標準化されていない点が挙げられます。これらの原因を正確に把握し、一つずつ改善していくことで、経理業務の効率化が実現するでしょう。
紙・Excel中心で業務が非効率になる
多くの企業では、経理業務を紙の書類とExcelで処理しており、これが業務の非効率化を招いています。紙の請求書や領収書を受け取り、それを手入力でExcelに転記し、さらに会計システムに再入力するといった作業は、時間がかかる上にミスも発生しやすいでしょう。特に月末月初は処理すべき書類が大量に集中するため、入力作業だけで何時間もかかってしまいます。
また、紙の書類は保管場所を取り、必要な書類を探すだけでも時間がかかります。Excelを使った管理も、複数の担当者が同時に編集できない、バージョン管理が煩雑になる、数式のエラーに気づきにくいといった問題があるでしょう。
紙とExcel中心の業務フローを続けている限り、作業時間の削減には限界があり、経理業務の負担は減りません。デジタル化と自動化を進めることで、こうした非効率な作業から解放される道が開けるでしょう。
属人化により特定社員に負担が集中する
経理業務は専門性が高く、長年同じ担当者が業務を行っているため、属人化しやすい特性があります。属人化とは、特定の担当者だけが業務の詳細を把握しており、その人がいないと業務が回らない状態を指すでしょう。
ベテランの経理担当者が休暇を取ると業務が止まってしまう、業務の進め方を他の社員が理解していないといった状況は、多くの企業で見られます。属人化が進むと、その担当者に業務が集中し、負担が増大していきます。特に決算期や税務申告の時期には、担当者が長時間労働を強いられることになるでしょう。
また、属人化している業務は引き継ぎが困難で、担当者が退職や異動になった際に業務が混乱するリスクもあります。後任者が業務を習得するまでに時間がかかり、その間はミスも発生しやすくなります。属人化を解消するには、業務の標準化とマニュアル化を進め、誰でも同じ品質で業務を遂行できる仕組みを構築することが不可欠でしょう。
ルールや手順が標準化されていない
経理業務のルールや手順が標準化されていないと、担当者ごとに異なる方法で業務を進めることになり、非効率が生まれます。請求書の処理方法、経費精算の承認フロー、仕訳の判断基準などが明文化されておらず、担当者の経験や判断に委ねられている状況は珍しくありません。
標準化されていない業務では、同じ処理をするにも担当者によって手順が異なり、確認や修正に余計な時間がかかります。また、新しい担当者が業務を覚える際にも、統一されたルールがないため学習に時間がかかるでしょう。
ルールや手順を標準化することで、業務の品質が安定し、処理時間も短縮されるでしょう。標準化は経理業務の効率化において、最も基本的かつ重要な取り組みといえます。
経理の仕事を効率的に終わらせる方法
経理の仕事を効率的に終わらせるには、現状の業務プロセスを見直し、無駄を削減する取り組みが必要です。闇雲に作業スピードを上げようとするのではなく、業務フローを整理して重複作業をなくす、ツールを活用して自動化する、属人化を防ぐためにマニュアル化を進めるといった、根本的な改善策を実施することが重要でしょう。
これらの方法を組み合わせることで、経理業務の負担を軽減し、正確性を保ちながら効率的に業務を終わらせることが実現します。
業務フローを整理して重複作業を削減する
経理業務の効率化を進める際には、まず業務フロー全体を可視化し、無駄な作業や重複している工程を洗い出すことから始めましょう。請求書の受領から仕訳入力、支払い処理、帳簿への記録といった一連の流れを図式化すると、同じデータを複数回入力している、不要な確認作業が入っている、承認フローが複雑すぎるといった問題が見えてきます。
例えば、紙の請求書をExcelに転記し、さらに会計システムに入力するという流れは、明らかに重複作業でしょう。こうした重複を削減するには、データを一度入力すれば複数のシステムに自動連携される仕組みを構築することが効果的です。
業務フローを整理する際は、現場の担当者の意見を聞きながら進めることが重要です。実際に業務を行っている担当者が、どこに無駄を感じているかを把握することで、効果的な改善策を見出せます。
クラウドツールで請求・経費処理を自動化する
経理業務の効率化において、クラウドツールの活用は非常に有効な手段です。クラウドツールを導入することで、請求書の発行、経費精算、仕訳入力といった定型業務を自動化でき、手作業にかかる時間を削減できるでしょう。例えば、クラウド型の請求管理システムを使えば、請求書を自動作成して電子送付でき、入金確認や消込作業も自動化されます。
これにより、請求書を手作業で作成し、郵送し、入金を確認してExcelに記録するといった一連の作業が不要になります。経費精算についても、クラウドツールを使えば、領収書をスマートフォンで撮影するだけで自動的にデータ化され、承認フローもシステム上で完結するでしょう。
仕訳入力についても、銀行口座やクレジットカードと連携することで、取引データが自動取得され、AIが仕訳を提案してくれるツールもあります。クラウドツールは場所を選ばずアクセスでき、リアルタイムで情報共有できるため、テレワークにも対応しやすくなります。自動化によって作業時間が削減されるだけでなく、入力ミスも減少し、業務品質の向上にもつながるでしょう。
属人化を防ぐためにマニュアル化を進める
経理業務の属人化を防ぎ、誰でも同じ品質で業務を遂行できるようにするには、マニュアル化が不可欠です。マニュアル化とは、業務の手順やルールを文書化し、誰でも参照できる状態にすることを指します。
請求書の処理方法、経費精算の承認基準、勘定科目の判断基準、月次決算の手順など、経理業務のあらゆる工程についてマニュアルを作成しましょう。マニュアルには、作業の手順だけでなく、判断に迷いやすいポイントや、よくあるミスとその対処法も記載することが重要です。
マニュアルを作成する際は、現場の担当者が実際に使いやすい形式にすることを心がけましょう。文章だけでなく、図やスクリーンショットを活用すると、理解しやすくなります。また、マニュアルをクラウド上で管理すれば、複数の担当者が最新版にアクセスでき、更新も容易になります。マニュアル化を進めることで、新しい担当者の教育時間が短縮され、担当者が不在の際にも他の社員が業務を代行できるようになるでしょう。
経理の仕事を改善するツール例
経理業務を効率化するには、適切なツールの導入が効果的です。ここでは、経理の仕事を改善するクラウドツールの代表例を紹介します。各ツールの特徴を理解し、自社の課題や業務フローに合ったものを選定することで、経理業務の負担を大幅に軽減できるでしょう。
楽楽精算｜経費精算を自動化してミスを削減できる
楽楽精算は、株式会社ラクスが提供するクラウド型の経費精算システムで、経費精算業務を効率化するための機能が充実しています。このシステムの特徴は、領収書をスマートフォンで撮影するだけで、OCR技術により自動的にデータ化される点にあるでしょう。手入力による転記作業が不要になり、入力ミスも削減されます。
また、交通系ICカードと連携すれば、交通費の利用履歴が自動取得され、そのまま経費精算データとして活用できます。経費精算の申請から承認までの流れがシステム上で完結するため、紙の申請書を回覧する必要がなく、承認状況もリアルタイムで確認できるでしょう。承認ルートは部署や金額に応じて柔軟に設定でき、規定違反の申請は自動的にチェックされます。
会計システムとの連携機能も備えており、承認された経費データは自動的に会計システムに取り込まれ、仕訳入力の手間が省けます。楽楽精算を導入することで、経費精算業務にかかる時間を削減し、経理担当者の負担を軽減できるでしょう。特に従業員数が多く、経費精算の件数が多い企業にとって、効果の高いツールといえます。
出典参照：楽楽精算 よりよく、寄り添う 経費精算クラウド｜株式会社ラクス
kintone｜kintoneで経理業務を可視化・共有できる
kintoneは、サイボウズ株式会社が提供するクラウド型の業務アプリ構築プラットフォームで、プログラミング知識がなくても業務に合わせたアプリを作成できる柔軟性が特徴です。経理業務においては、請求管理、経費精算、契約管理、予算管理など、さまざまな業務アプリを構築できるでしょう。
例えば、請求管理アプリを作成すれば、請求先情報、請求金額、請求日、入金予定日、入金状況などを一元管理でき、チーム全体で情報共有が容易になります。kintoneの強みは、業務の可視化と共有にあります。各担当者が入力したデータはリアルタイムで共有され、誰がどの業務を担当しているか、進捗状況はどうかを一目で把握できるでしょう。コメント機能やプロセス管理機能も充実しており、承認フローや業務の依頼もシステム上で完結します。
また、kintoneは他のシステムとの連携も容易で、会計システムやメールシステムと連携することで、データの自動取り込みや通知の自動送信も実現できます。カスタマイズ性が高いため、企業ごとの業務フローに合わせた最適なシステムを構築でき、経理業務の効率化と標準化を同時に推進できるでしょう。
出典参照：Kintoneは、AIとノーコード・ローコードで現場の業務にフィットする業務アプリがつくれる｜サイボウズ株式会社
freee｜経理処理を自動化し経営分析もできる
freeeは、freee株式会社が提供するクラウド型の会計ソフトで、中小企業を中心に幅広く利用されています。freeeの最大の特徴は、銀行口座やクレジットカードと連携して取引データを自動取得し、AIが仕訳を自動提案してくれる点にあります。
また、請求書の作成や送付、経費精算、給与計算といった機能も統合されており、経理業務全体を一つのプラットフォームで管理できます。freeeは経理初心者でも使いやすいインターフェースが特徴で、複雑な会計知識がなくても直感的に操作できるよう設計されています。
さらに、リアルタイムで経営レポートが自動生成され、損益計算書や資金繰り表を常に最新の状態で確認できるため、経営判断にも活用できるでしょう。税務申告についても、確定申告や法人税申告の書類を簡単に作成できる機能があり、税理士との連携もスムーズに行えます。
経理の仕事が終わらないときは『CLOUD BUDDY』へご相談ください
経理の仕事が終わらず、業務効率化を検討しているものの、どのツールを選べばよいか分からない、導入後の運用に不安があるといった悩みを抱えている企業は少なくありません。クラウドツールは数多く存在し、それぞれ特徴や得意分野が異なるため、自社に最適なツールを選定するのは容易ではないでしょう。
『CLOUD BUDDY』は、クラウドサービスの導入を支援しており、経理業務の効率化に関する豊富な実績とノウハウを持っています。企業ごとの課題や業務フローをヒアリングした上で、最適なツールの提案と導入支援を行い、運用開始後も継続的にサポートを提供しています。
経理の仕事が終わらないという課題を解決したいときは、『CLOUD BUDDY』にご相談ください。
まとめ｜経理の仕事を効率化して正確かつ安定した運用を実現しよう
経理の仕事が終わらない原因には、紙やExcelを使った非効率な業務方法、属人化による特定社員への負担集中、ルールや手順の標準化不足といった問題があります。これらの課題を解決するには、業務フローを整理して重複作業を削減し、クラウドツールを活用して自動化を進め、マニュアル化によって属人化を防ぐことが重要です。
楽楽精算やkintone、freeeといったクラウドツールを導入することで、経理業務の効率化と品質向上を同時に実現できます。適切なツールを選定し、業務プロセス全体を見直すことで、経理担当者の負担を軽減し、正確かつ安定した業務運用が可能になるでしょう。
