マーケティング活動のデジタル化が進む中で、情シス部門とマーケティング部門の連携がますます重要になっています。しかし、両部門が持つ専門性の違いや、システム連携の難しさから、連携がうまく進まないという声も少なくありません。
そこで注目されているのが、BPOによる情シス機能の支援です。
本記事では、マーケティング活動を支える情シスの業務と、それをBPOがどう支援できるのかを具体的に解説します。データ活用やツール運用の最適化を図りたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
Toggle情シス×マーケティングでBPOが貢献できる内容
マーケティングの精度と効率を高めるには、裏側を支える情シスの存在が欠かせません。近年では、情シス業務を外部BPOに委託することで、システム連携やデータ管理の課題を解決しながら、マーケティング施策の質を引き上げている企業も増えています。
ここでは、BPOがどのようにマーケティング部門の実務に寄与できるか、その代表的な5つの支援内容を紹介します。
マーケティングデータの統合・可視化支援
マーケティング活動では、Webアクセスログ、メール開封率、商談履歴など、多種多様なデータを扱います。これらをバラバラに管理していては、顧客像を正確に把握できません。
BPOを活用することで、異なるソースからのデータを一元的に管理し、ダッシュボード上で可視化する環境を構築できます。例えば、Google AnalyticsのデータとSFA(営業支援ツール)のデータを統合し、営業成果とWeb施策の相関を確認できる仕組みを整えることで、より精緻なKPI設定が可能になります。
情シス視点でのデータ整備は、マーケティング部門だけでは対応しきれない複雑な部分を担保し、データ活用の基盤を強化できる可能性を秘めているといえるでしょう。
MAツールやCRMの導入・運用代行
マーケティングオートメーション(MA)や顧客関係管理(CRM)ツールの活用は、顧客との継続的な関係構築において有効です。しかし、導入後に運用が滞るケースも少なくありません。
BPOでは、これらのツールの導入支援だけでなく設定変更やアカウント管理、キャンペーン設定といった運用業務も代行できます。例えばHubSpotやSalesforceなどを利用している企業では、シナリオ設計やメール配信の自動化フローの構築を外部に任せることで、マーケティング部門は企画とコンテンツに集中できるようになります。
ITに精通したBPOチームが運用を支えることでツールの活用度が高まり、投資効果も最大化されるでしょう。
システム間連携の設計・管理
MAツールやCRMを導入しても、既存の社内システムと連携できていなければ、データは分断されたままです。システム間の橋渡しこそが、マーケティング全体の精度に直結するポイントになります。
BPOを利用することで、APIの設計やバッチ処理の構築など、システム間の連携業務を専門的にサポートできます。例えば、ECサイトと顧客データベースを同期させて購買履歴をリアルタイムで反映させる、POSシステムのデータをCRMに反映して店舗ごとの反応を分析する、といった活用が可能です。
情シスとBPOの連携が取れていれば変更やトラブルへの対応もスムーズになり、継続的なデータ活用が実現します。
セキュリティ対策とガバナンス強化
マーケティング部門が扱うデータには、顧客情報や購買履歴など、個人情報が多く含まれます。適切なセキュリティ対策が講じられていない場合、情報漏えいのリスクが高まりかねません。
BPOに情シス業務を委託することで、セキュリティポリシーの策定、アクセス権限の管理、暗号化設定などの運用が安定します。例えば、マーケティング用のファイル共有システムにおいてユーザーごとの閲覧・編集権限を厳密に管理し、ログを定期的に確認する体制を整えることが可能です。
また、社内外の監査対応やガイドラインの更新にも対応できるため、組織全体のガバナンス強化にもつながります。
ITツール選定・運用のアドバイス
新たにツールを導入する際、選定の失敗が後の運用トラブルやコスト増につながることはよくあります。BPOでは、業務内容とシステム要件を照らし合わせたうえで、適切なITツールを選定する支援が可能です。
例えば、Web広告の効果測定に強いBIツールを探している企業に対し、Google Looker StudioやTableau、Power BIといった候補から最適なものを提案するだけでなく、初期設定やテンプレートのカスタマイズまで対応します。
また、既存ツールの運用負担を軽減するための改善提案も提供され、ツール導入後の「使い切れない」問題を回避できるでしょう。情シスのノウハウを活かしたBPO支援が、マーケティング活動の継続性と実行力を支える基盤になります。
情シスもマーケティングも支援できるBPO企業事例
BPOサービスのなかには、情シス領域にとどまらず、マーケティング業務にも対応可能なサービスを展開している企業があります。これにより、システム運用だけでなく、業務プロセス全体の最適化が可能になります。
ここでは、マーケティング支援も視野に入れたBPOを展開する代表的な3社の事例を見ていきましょう。それぞれの強みを理解することで、自社の業務に合ったサービスを見つけやすくなります。
事例①クロス・ヘッド株式会社|戦略的な情シスアウトソーシングに最適
クロス・ヘッド株式会社は、情シス領域を広くカバーするアウトソーシングサービスを提供しています。現場常駐型の支援に強みがあり、業務に即した技術者が直接対応する体制を構築しています。
特に注目されているのが、IT戦略立案から実務運用までを一貫して支援できる点です。企業内の情シス担当者の不在を補うだけでなく、マーケティングに関わるデータ分析基盤の整備や業務フローの最適化支援など、DX推進全体に寄与するサービス内容が特徴です。
マーケティングと情シスの橋渡しを担うパートナーとしても適しており、現場の声を活かしたIT活用を重視する企業にとって心強い選択肢となるでしょう。
出典参照:情シスBPO|戦略的な情シスアウトソーシングに特化したサービス・費用|クロス・ヘッド株式会社
事例②Dynabook株式会社|LCM運用サービス中心のBPO
Dynabook株式会社が展開するアウトソーシングサービスは、ライフサイクルマネジメント(LCM)を中心とした支援が特徴です。LCMとは、PCや周辺機器などのIT資産を「調達・展開・管理・廃棄」まで一元的に管理する考え方です。
この仕組みをBPOで実現することで、情シス部門の運用負荷を軽減しながら、マーケティングチームが利用する端末やツールの安定運用にもつながります。また、LCMと連携したセキュリティ運用やログ管理支援も行っており、情報漏えいリスクの低減にも貢献します。
特にデバイス利用が多く、定期的な入替が必要な環境では、このようなBPOサービスが高い効果を発揮するでしょう。
事例③リコージャパン株式会社|情シスおまかせパック
リコージャパン株式会社が提供する「情シスおまかせパック」は、IT環境の整備と運用をトータルで代行するサービスです。クライアント企業のITリソースやスキルレベルに応じて、柔軟に業務をカスタマイズできる点が評価されています。
業務内容は、端末管理やアカウント発行、セキュリティ対策などの基本的な情シス業務に加え、マーケティングで必要となるソフトウェアの選定や導入支援にも及びます。具体的には、キャンペーン管理ツールや、データ共有用のクラウドサービス設定などが対象です。
現場の業務効率化に直結するIT支援をワンストップで提供しており、部門間の連携強化を図りたい企業にとって、有効な選択肢となります。
出典参照:RICOH 情シスおまかせパック / アウトソーシング | リコージャパン株式会社
情シスもマーケティングもできるBPOは『CLOUD BUDDY』へご相談ください
情シス業務に加えてマーケティング支援まで対応できるBPOサービスを求める企業にとって、『CLOUD BUDDY』は有力な選択肢になりえるでしょう。IT資産の管理やヘルプデスク対応といった基本的なサポートはもちろん、MAツールやCRMの運用代行、マーケティングデータの可視化支援まで、幅広い領域を網羅しています。
複数部門をまたぐ課題に対しても、実務に即した柔軟な提案と対応が可能であり、業務全体の最適化と部門間連携の強化を同時に進められる点が強みです。まずは課題整理からでもご相談ください。
まとめ|BPOを活用して情シス代行を依頼しよう
IT環境の整備と運用に課題を抱える企業にとって、情シス業務のBPO活用は有効な選択です。加えて、マーケティング部門との連携を視野に入れたBPOを導入すれば、全社的な業務効率の向上と情報活用の高度化が期待できます。BPOサービスを通じて業務領域を超えたサポートを受けることで、DX推進の基盤も整い、変化に対応できる組織づくりが可能になります。
『CLOUD BUDDY』のように多領域を支援できるサービスを活用し、自社の業務変革に一歩踏み出しましょう。